四月まで使っていた炉を塞ぎ、清々しく設えた土風炉を用いてお茶を点てます。
茶掛とは、茶室の床に掛ける掛け軸のこと。「日々是好日」(にちにちこれこうにち)は最もよく知られた禅語の一つです。黒木華さん樹木希林さん主演の映画のタイトルで耳にされた方もいらっしゃるでしょう。意味は、毎日毎日が最良の日である。雨の日もあれば風の日もあり、また辛い日もあれば悲しい日もある。それを良き日として受け止めていきましょう、ということです。
しかし、口で言うのは簡単ですが、本当にこのような気持ちで毎日を送れる人がはたして何人いるでしょうか。過去の失敗にこだわって、そこを何とかしようと無理をして、結局またうまくいかなくて…。みんなそう…。だから、どうにかしようと思わずにその日その日が最良の日だと思いなさいということなのでしょう。
「日々是好日」の映画をご覧になった方や、またその同題原作の森下典子さんのエッセイを読まれた方の中には、普段見ることのないお茶のお稽古の様子や華やかなお茶会に関心を寄せていらした方も多いと思います。が、最後はひとりの女性の心の変容に共感できたのではないでしょうか。お茶にはそんな力があるのです。
「茶禅一味」とか「茶禅一致」という言葉がありますが、それは茶道の奥義と禅の精神が一致しているという意味です。先日、NewsPicks で「禅×マインドフルネス」という番組を見ました。世界が日本の禅・マインドフルネスに注目している昨今、これを機にお茶の世界をのぞいてみてはいかがでしょうか。
大山蓮華のつぼみは、真っ白な小さなタマゴのようで愛らしい姿をしています。表千家流はどちらかと言えば花のつぼみを好むと教えられました。裏千家さんは、もう少し開き気味の方がお好みだと聞きました。どちらにしても花は部屋の中を明るくしてくれます。利休さんは「花は野にあるように」と言われました。新緑の勢いのある葉と新葉の柔らかいところを虫が食べてしまった葉も残して入れました。
茶人というにはまだまだですが、少しでもお茶の魅力がお伝えできるように、ご意見をいただきながらブログを書いていこうと思っています。